【自宅墓】遺骨を自宅に置く必要性

近年、様々なタイプのお墓が登場してきました。

江戸時代より続く代々墓、樹木葬、永代供養墓(合祀墓)、納骨堂の他、埋葬方法も海洋散骨、森林散骨、宇宙葬など選択の幅が広がっています。

ご遺骨を自宅保管し供養するという「自宅墓」や「手元供養墓」を選択する方もいらっしゃいます。

江戸時代から慣習として続いてきたお墓や供養のあり方が変化を見せています。

手元にご遺骨を置くことの必要性

近親者の死に直面したとき、はじめて「お墓は?」と動き出す方は少なくありません。

菩提寺にお墓のある方でも、お墓を承継することで「檀家として経済的にお寺を支える」こと、「仏式葬儀や法要の義務」に直面し、自分たちの宗教観やお墓のあり方を問い直し、新しいタイプのお墓の選択をし始める方もいます。

江戸時代から慣例として行われてきたことでも、現代人の宗教観や生活スタイルとの間に齟齬が生じてしまえば、見直さざる終えません。

しかし、見直したいと思っても、葬儀で忙しく納骨を四十九日を目安にしてしまうと「お墓」を見直す時間も無く、流されるがまま代々墓に納骨してしまう方もいらっしゃいます。

また、代々墓を承継せず檀家を辞めてしまうと「お墓を撤去し更地に戻すことになり高額なお金が掛る」「離断料が請求されてしまう」など周りからマイナスな情報を与えられ、十分に納得のいかないまま慣例に従い納骨される方もいらっしゃいます。

では、どの様にすると良いのでしょうか?

四十九日の納骨は、あくまでも「目安」であり必ず四十九日頃納骨しなくてはいけないという決まりや法律はありません。

また、お寺側の事情で納骨日時が先延ばしになることもあります。

諸事情で自宅にご遺骨を2年、3年保管してから菩提寺のある代々墓へ納骨される方もいらっしゃいます。

自分たちのお墓や供養のスタイルが纏まらない場合、早々に納骨をするのではなくご遺骨を手元に置き、充分に情報を得た上で、お墓や供養のスタイルを選択すべきだと考えます。

ご遺骨を手元に置く理由は「離れるのが寂しい」などの身近で供養したいという以外は「公営霊園の当選待ち」「お墓を購入するまでの間」「納骨法要までの間」などです。

どの埋葬方法を選ぶにせよ、納骨までは殆どの方が自宅にてご遺骨を保管することになります。

2040年のお墓や供養はどうなる?社会の変化を見越した選択

2040年には超高齢化社会に突入し、現役世代の1.5人が高齢者を支える時代になります。

団塊ジュニア世代は就職氷河期を経験したロスジェネ世代と重なります。この世代は非正規が多く、年金の受給額も低く、貯蓄額も低いという傾向があり、貧しい高齢者の比率が増えると予想されています。

社会保障費は増大し、現役世代の減少による生産力の低下により消費も落ち込み、経済的に厳しい時代を迎えます。

消滅可能性都市が話題になりましたが、若者が都心へ流入し廃村化が進めばその地域でのお寺の維持管理も難しくなってきます。

また、日本は災害大国と言われています。大気中の温室効果ガス濃度の高まりに伴って地球の平均気温が上昇することで降雨パターンが変動し、異常気象の発生頻度が高まり、日本でも集中豪雨による災害が増えています。土砂崩れや川の氾濫によりお寺やお墓が被害を受けることもあります。

地震も太平洋岸の海域で、東海地震、東南海地震、南海地震という3つの巨大地震が30年以内に発生すると予測されています。

あまりマイナス要因を並べてしまうとお墓の選択がより難しくなってきますが、お墓をどうするか、埋葬をどうするかという課題は世の中の変化も踏まえ考えるべきかと思います。

今後20年の間に環境は今までのなく大きく変化していきます。

極端に聞こえるかも知れませんが、お墓参りも墓所まで行かなくてもリアルなVR映像でアバターがお墓参りをする様にもなるかも知れません。

第四次産業革命により環境も便利に変化していきます。

もし、今のご自身のお墓・供養にのあり方に疑問を感じているのであれば、手元にご遺骨を置き、今一度考えてみるのは如何でしょうか。

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