【自宅墓】室内型お墓とは:仏壇型・デザイン骨壺etc.

ご遺骨の室内保管は珍しいことではありません。お墓へ埋葬するにも、火葬後から納骨日までは自宅にて保管することが殆どです。

「お墓が無い」「故人と離れたくない」等の理由で何年も手元にてご遺骨を保管されている方もいらっしゃいます。

ご遺骨を保管出来る仏壇やデザイン性の優れたお骨壺がネットでも簡単に手に入るようになり、お金も手間も抑えられる負担の少なさから、自宅墓を選択する方が増えています。

【自宅墓】室内型お墓とは:仏壇型・デザイン骨壺etc.

室内型お墓/自宅墓とは

自宅墓とは自宅の室内にあるお墓を意味します。

一般的なお墓は墓地に建てられます。お墓は、墓地として都道府県知事の許可をうけた区域にしか建てることは出来ないため、自宅の庭にお墓を建ててご遺骨を納めると言うことは法律違反となします。

では、室内型のお墓は法的に許されるのでしょうか?

法律で禁止されているのは、ご遺骨を墓地以外に「埋める」行為で有り、手元で「保管」することは、違法行為ではません。

また「何時までに納骨(埋葬)しなくてはいけない」という法律も無いため、時間に縛られること無くご遺骨を手元に置くことができます。

自宅墓/ご遺骨の自宅保管の注意点

自宅墓で注意する点は、ご遺骨を“責任を持って”保管するという点です。

「汚れたから」「怖いから」「家族が嫌がるから」等の理由で保管が難しくなったからと言って捨てたり墓所以外の所に埋めることは出来ません。

ご遺骨を自宅に置くことに抵抗を持つ人もいます。来客者への気遣いや家族への負担を減らすため、防かび対策を施したり、見た目もインテリアに馴染む自宅墓を用意し、自宅墓があることで周りが精神的な負担を感じないよう気遣うことも必要です。

明らかにご遺骨と分かる形で保管するのでは無く、粉骨業者に依頼し、ご遺骨をパウダー加工・滅菌をした後、嵩を減らしコンパクトな自宅墓に密封して納める事により負担を軽減することも出来ます。

自宅墓の種類

仏壇型 自宅墓

仏壇型は観音開きの収納棚のような作りになっている物が多く、一柱分(全身)の7寸の骨壺ごと中に収まるように出来ています。

サイズは机の上に置けるサイズもあれば、小型のタンス程のサイズも有り、お骨壺の大きさや、納める柱数によりサイズも変わってきます。

卓上型のようなコンパクトサイズは、粉骨にして納めることになります。粉骨に抵抗がある場合は、お骨壺の入る大きさの物を選ぶ必要があります。金額は大体2万~15万程度となります。

お骨壺型 自宅墓

お骨壺型は、お骨壺をそのまま自宅墓として使用します。

お骨壺は従来の円柱型の物だけではなく、形も色も様々なものがあり、デザイン性に優れているため、リビングにそのまま置いても違和感の無いものがこの近年かなり増えました。

大きさは1柱入る大きさなので、粉骨しない場合は大人だと6寸か7寸、粉骨した場合は個人差もありますが、5寸以下となります。

お値段は4千円~2万位が殆どですが、デザイン性に優れ希少性がある等、価値の高い物になるとお値段も上がって参ります。

数千円から1万程度の物でも素敵なデザインのお骨壺は沢山あり、場所もとらないため、「お墓」や「供養」としては一番スマートな形だと言えます。

自宅墓/手作りは許されるのか

仏壇型の場合

実際手作りの仏壇にご遺骨を保管している方もいらっしゃいます。また、敢えて「仏壇型自宅墓」を買わなくても、ご自宅のインテリアに即した色や形の戸棚を自宅墓としても問題ありません。自宅でのご遺骨の保管で大切なことは「責任を持って保管する」と言うことです。カビの生えない清潔な状態を維持し埋葬までの間、保管出来るのであれば、収める棚は自由です。

お骨壺型の場合

お骨壺も勿論自分で作っても問題ありません。

陶芸教室でご自身で手作りされる方もいれば、従来の白いお骨壺にご自身で装飾される方もいらっしゃいます。

割れたり、壊れたりする素材の物であれば、ご遺骨をお骨壺へ直接収めるのでは無く、骨袋に入れてから納める、若しくは粉骨して密封袋に入れた状態でお骨壺へ収めるなど工夫することをお勧めします。

また、火葬時に使用する陶器のお骨壺は耐熱性があり丈夫な造りとなっているため、手作りのお骨壺を使用する場合は、自宅に帰ってから入れ替える方が安全です。

今後お墓へ納骨する予定がある場合は、納骨するときに墓所を所有する寺院や管理会社にお骨壺はそのまま使用できるのかを確認をし、指示に従うようにしてください。

ご遺骨の自宅保管後の埋葬・散骨について

自宅墓としてご自宅で保管しているご遺骨は、最終的にはお墓へ納骨・埋葬するか粉骨して海等に散骨するということになります。

子供の代までご遺骨を所有させてしまうのではなく、最終的な埋葬場所か、散骨場所を決めておく事が望ましいと言えます。

墓所選び

墓所の種類

墓地や霊園は「寺院墓地」「民間霊園」「公共霊園」「共同墓地」の4種類に分かれます。

「公共霊園」

地方時自体が管理・運営・販売している墓地で、都営霊園・県営霊園・市営霊園などがあります。宗教・宗派は自由で有り、経営母体の倒産と言ったリスクも無いため人気があります。

「共同墓地」

自治会など、その地域の住民たちが共同で管理運営している墓地です。

「寺院墓地」

寺院が管理運営している墓地です。寺院墓地の一般墓(従来墓)は、宗教的縛りが強く、その宗派の教義・典礼・儀式に従い葬儀や供養が進められます。また、檀家としてお寺を支えていく必要があり、毎年の管理費以外に建物の修繕費など寄付などを求められる事があります。

「民間霊園」

お寺による宗教法人が民間企業に委託をさせる形で管理・運営を行います。※公益法人による霊園もありますが、公益法法人は行政庁による審査が難しく、少数となります。

寺院の敷地内にある「○○霊園」「○○メモリアル」など名称の付いている墓所が民間企業が委託を受けている区画となります。

お墓を選択する場合の注意点!

①寺院や霊園の経営状況と契約内容

お寺は2040年には30%以上消滅すると推測されています。仏教への信仰離れや、お寺との付き合いはお金や時間を奪われ面倒と考える方も増えており、今後も宗教離れは進んでいくと言われています。

檀家が200件いないお寺は専業では成り立たず、経済的に苦しいと言われていますが、一見裕福そうなお寺でも、散財していれば檀家は離れ、資産も尽きていきます。

また、本堂や施設の立て替え・修繕などで寄付を募ろうにも希望の金額に到達しなければ、不足分はお寺が補うことになり、お寺の財政を逼迫させます。

お寺を取り巻く環境も急速に変化を見せていることから、予測される事柄を考え、何処にお墓を持つかを見極めなくてはいけません。

「寺院墓地」や「民間霊園」の経済状況を見極めるのは難しいですが、檀家数や本堂や施設の状態等から推測したり、ご住職の言動からも推し量ることは出来ます。

お墓を購入する場合は契約書を結びますが、お寺側や霊園側に不利になる内容は規約には書かれていません。

疑問があれば墓所を管理・運営している会社、寺院へ確認しておく必要があります。

宗教宗派を問わないお墓を購入する場合

近年、「寺院墓地」のお墓でも「宗教・宗派を問わない」お墓が増えています。

しかし、お寺は仏教という宗教行為を行う場所です。寺院内で他の宗教的行為は禁止されている場合も有り、また、そのお寺の教義に則った形で法要が行われるのは当然のことです。

では、「宗教・宗派問わず」とはどのような意味を指すのでしょうか。

「宗教・宗派問わず」の意味

「宗教・宗派を問わない」は「他宗教、他宗派でも納骨し供養してさしあげますよ」という意味であり、「供養方法も自由」という意味ではありません。

お寺の「宗教・宗派自由」のお墓を購入目的で見学に行くと「葬儀はお寺の施設でしてください」「法要はしてください」と言われることがありますが、基本的には、そのお寺の教義・儀式に添って行われると考えるべきです。

「宗教・宗派問わず」=「自由なお墓」と考えるのでは無く、購入前によく規約などで確認し、自分の供養のスタイルに合っているかどうか見極める必要があります。

②お墓までのアクセス

新たにお墓を購入する方や改葬(お墓のお引っ越し)をする理由の一つに、「アクセスが悪くお参りに行けない」が上位に挙げられます。

従来墓のような個別埋葬型のお墓はスペースをとるため、地価の高い場所では値段も高くなります。従来墓や個別埋葬をお考えの場合は出せる予算に応じて場所も変わって来ることになります。

近年、永代供養墓の需要が伸びており、お寺側も永代供養墓を建てるところが増えてきました。そのため、永代供養墓は身近なお墓にありつつあり、自宅近くのアクセスの良い場所永代供養墓が見つかるかも知れません。また、都心でも費用が安く、新宿でも30000円で納骨出来るお寺があります。

④埋葬システム

従来墓(代々墓)/ 継承者が代々引き継ぐお墓

菩提寺にある従来墓は、家族単位のお墓となります。契約書の記載にも寄りますが、承継者が継いで管理費を払い続けている間は、お墓を持ち続けることが可能です。

檀家になることが義務づけられ、お寺を支える必要があり、寄付を求められたり、葬儀や法要も慣例に沿って行われることが多く、お墓購入後も支出が伴います。

13年後合祀のお墓

最近よく耳にする埋葬システムで「13年後合祀」というお墓があります。13年等の一定の年数はお墓を所有することができ、その後は合祀されると言うものです。

お墓の形状は和型では無く洋風墓石タイプだったり、納骨堂タイプだったりと従来のお墓の形では無い場合が殆どです。

はじめから合祀

合祀墓(永代供養墓)と呼ばれるお墓は、個別埋葬では無く、はじめから他のご遺骨と混ぜられる事になります。檀家になる必要も無く、宗教宗派問わず、30000円前後で納骨が可能です。ご供養もお寺が永代に渡りご供養して下さるので、手間も費用も抑えられます。

永代供養墓の問題点は、個別埋葬でなくご遺骨を合祀してしまうため、お参りに行って個別で故人に手を合わすことが出来ないと言う点で、遺族にとって供養の気持ちが満たされない部分があります。

⑤お墓の値段

お値段は、大きさ、場所、システム、によって変わってきます。

特に従来墓の場合は「墓石代」「設置代」「土地使用代」それぞれに費用が生じ、墓石代だけでも全国平均で120万程となっています。土地使用代など、全ての費用を含めると200万以上と高額になります。

その他のお墓は、野外納骨堂は50万から100万。樹木葬で個別埋葬の場合は50万~200万、永代供養墓は3万~50万が相場となります。

従来墓が売れなくなり、価格を抑えたお墓もいろいろと増えましたが、価格競争も進んでおり、この先、お墓の選択肢は増えるかも知れません。

まとめ

ご自身が亡くなった場合、お墓を継承・管理し、お参りするのは一番近い親族となります。

ご家族に負担の掛からない埋葬・供養方法を選択するには、情報集めから始まり、実際に出向いて確認する必要もあります。

忙しい日常生活の中、お墓を決めるのは大変な作業です。

先にも述べましたが、ご遺骨は直ぐに納骨しないといけない訳ではありません。

お墓への納骨を考える場合は、先ずはご自宅保管を選択し、時間を掛けてご自身の考えに沿った埋葬方法を選択することをお勧め致します。

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