「室内の墓」VS「屋外の墓」どちらを選ぶ?

様々なお墓が登場する中、どの様なお墓を選んだら良いか困ることはありませんか?

ここでは「屋外墓」と「室内墓」に分けて、違いについて述べさせて頂きます。

屋外墓とは、従来墓(一般墓)、永代供養墓(合祀墓)、樹木葬などの屋外に建て、埋葬するタイプのお墓を指します。

室内墓とは、納骨堂や自宅墓(宅墓)の様に室内にご遺骨を保管するタイプのお墓を指します。

納骨後のご遺骨の状態の違い

屋外のお墓

ご遺骨は土になかなか還らず汚れた状態でお墓の中で保管されている状態になります。

「土に還る」ことを希望される方は多いのですが、火葬されたご遺骨は簡単には土に還りません。

ご遺骨が土に触れる状態で埋葬したとしても数十年経っても人骨と分かる状態であることが多く、ましては、高温で火葬されたご遺骨は表面がセラミック状になるため、なかなか土に還らないという見解もあります。

お墓には骨壺ごと埋葬するのが一般的ですが、その場合は直接土に触れないことも有り、ご遺骨が風化して土に還るためには更に途方もない年月を要します。

※樹木葬などでも「粉骨」にして埋葬するタイプは、パウダー状のご遺骨が直接土に触れることもあり、粉骨しないご遺骨に比べ早く土に還ることになります。

室内のお墓

清潔な環境で保管する限り綺麗な状態で保つことが出来ます

室内のお墓は、土や外気にさらされることは無いため、屋外のお墓に比べ風化しづらく環境が良ければ汚れることはありません。

高温多湿でホコリのたまりやすい場所に保管している場合、まれにカビが生えることもありますが、遺骨は本来カビの生えにくい物であるため置く場所に気をつけていれば綺麗なまま保存できます。

※ご遺骨を「粉骨」しご自宅にて保存されている方もいらっしゃいますが、その場合はカビの生える確率が増すため、高温多湿の場所を避けホコリが付かないように工夫するなど、真空パック保存などの防かび対策が必要となります。

お墓の材質の違い

屋外のお墓(墓石)

墓石の耐久年数は、短くて30年、長くても150年程と言われています。

屋外のお墓は「石の墓標」が一般的です。墓石の産地は日本、中国産、インド産が主で強度は値段には比例せず希少性の高い物は値段も高い傾向にあります。

お墓の設置環境や施工状態、材質が良ければ墓石の劣化速度は緩やかに進みますが、悪ければ劣化速度も速まります。

墓石によく使用される御影石は「ぶつけたり高温に熱したりしなければ半永久的に持つ」と言う方もいらっしゃいますが、弱点もあります。

ポップアウト

御影石は塩害に弱く鉄分を含むため、塩分が触れるとサビが出やすく、酷くなると、内部で膨張したサビが石の表面を弾き飛ばす「ポップアウト」という現象を引き起こします。

御影石には細孔という微細な穴が存在し水分を吸うため土の中に含まれている様々な成分も一緒に吸収してしまい。それが風化を早める原因にもなっています。

また、セメントに含まれる塩化物が、空気と触れることにより結晶化して起こるエフロレッセンスという現象があります。

エフロレッセンス

モルタルやコンクリートに含まれる炭酸カルシウムが溶け出し、空気と結びついて白く結晶化したものです。

特に内部で此が起こると石の表面をボロボロにして、著しく劣化させます。

お墓の施工にはコンクリートを使用するため、この現象が起こります。

※昔のモルタルやコンクリートを使用しなかった墓石ではこのような現象はなく、コンクリートを使用するようになってからのお墓の劣化要因となっています。

墓石に使う石は元々は劣化しにくく丈夫なのですが、環境や設置方法、素材によっては風化速度は速くなります。

室内のお墓

様々な素材で作られているため、デザイン性が高い。強度は使用する材質やメーカーによって異なる。

室内墓は屋外墓に比べて素材にかかる負荷が少ないため、石材に限る必要が無く・木材・ガラス・ステンレス・陶器などの様々な素材で作られています。

強度はその素材によります。また、作っているメーカによって拘りに違いがあり、接合部分が粗末な作りの物もあれば、丈夫で気密性のある物など様々です。

お墓の管理

屋外のお墓

公共墓地は治自体・寺院墓地はお寺(宗教法人)・民間墓地は民間会社・共同墓地は使用する地域の共同体が管理

屋外墓の管理は、公共墓地は治自体・寺院墓地はお寺(宗教法人)・民間墓地は民間会社・共同墓地は使用する地域の共同体が行っています。

◆寺院墓地は「護持会費」「護持費」と呼ばれる管理費を毎年納める必要があり、それにより「墓所」を含む、お寺の維持、管理を行こなっています。

お墓自体は承継者の所有となりますので、お墓が古くなったり、壊れた場合は承継者が負担し、お墓のメンテナンスや掃除なども承継者が行います。

◆公共墓地は宗教の縛り無く治自体が責任を持って管理するため仏教徒以外の方でも安心してお墓を持つことが出来ます。墓石自体は承継者の所有となるため、メンテナンスや立て替えなどの費用は承継者負担となります。

◆民間墓地は寺院内の一区画などを民間会社が借りて運営していることが殆どですが、管理は運営している民間会社が行います。

民間墓地は管理運営会社が倒産した場合は、他の民間会社が引き継ぐことになりますが、倒産した会社との契約が引き継がれるという保証は無く、管理に関しても新たに引き継いだ会社の方針に添うことになります。

◆共同墓地は名義上は公営墓地として登録されていますが、実際の管理運営についてはそれぞれの地域の住民や使用者で共同で行っている場合が殆どです。

屋内のお墓

◆納骨堂は、ローカー型や仏壇型などの決められたスペースでご遺骨を保管・供養します。

管理は納骨堂を運営している民間会社や宗教法人、治自体などが行うため掃除やメンテナンスの手間がありません。

個別の墓石も無いため、立て替えや撤去などの手間や費用がかかりません。

◆自宅墓は個人の自宅室内に置くタイプのお墓を指します。管理は当然、ご遺骨の所有権を持つ承継者となります。

自宅室内に置くため、管理費は生じません。

管理自体は清潔な環境で保管すればご遺骨が汚れることもなく手間もありません。

自宅墓となる入れ物も経年劣化があるとしても、墓石と違い簡単に買い換えることが出来ます。

ご遺骨の最終的な行方

屋外の墓

スペースの問題でお墓に入りきれないご遺骨や無縁墓のご遺骨は新たな埋葬方法を選択するかことになる。

屋外のお墓は納骨スペース(カロート)が狭くなると新たなご遺骨が入らなくなるため、古いご遺骨は「合祀墓に埋葬する」「散骨する」という選択肢の他、納骨数に制限が無ければ「古いご遺骨通しを一つの骨壺へまとめる」、カロートの底が土の場合は底の土に撒く」という方法があります。または、新たにお墓を購入し納める事になります。

※契約内容によってご遺骨の扱いも変わってきます。

室内墓

室内墓のご遺骨は最終的には「墓所」へ埋葬するか、「散骨」する必要があります。

ご遺骨は「墓所」以外の所に埋葬することは法律で禁止されているため、納骨するためのお墓を探すか、ご遺骨をパウダー状にして撒く必要があります。

※散骨は撒く場所に注意が必要です。

お墓選びとして永代供養墓(合祀墓)のような承継者への負担の少ないお墓を選択する方も多く、手元で納得のいく時間、供養した後にお墓へ埋葬されます。

屋内墓と屋外墓は「保管」と「埋葬」の違いがありますが、ご遺骨自体は墓地埋葬法に従って扱われるため、承継者がいなくなる場合など、最終的にはどちらも永代供養墓(合祀墓)や散骨など、後が困ることのない選択をすることになります。

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