【自宅墓】自宅の室内に墓をもつメリット

自宅の室内にお墓を持つ・・・ 今まで馴染みは無かったかも知れません。

しかし、今までもご遺骨をご自宅で保管されている方は少なくはありませんでした。「自宅に遺骨を置いているよ」と公に言わないだけで有り、公営墓地が抽選で当たるまでの間、数年自宅にてご遺骨を保管されている方もいれば、故人の亡骸となかなか離れることが出来ない方が十数年ご遺骨を手元に置いている場合もあります。

最近では仏壇型、お骨壺タイプ、手元供養タイプなど、様々なタイプの自宅墓が販売されており、お墓を購入するより負担が少ないことから、ご遺骨の自宅保管が新たなお墓の形、供養のカタチとして今後も受入れられていくと考えられます。

では、自宅墓にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

【自宅墓】自宅の室内に墓をもつメリット

ご遺骨が汚れない

屋外のお墓であれば勿論ご遺骨は汚れてしまいます。

近年のお墓は、カロートというコンクリートやブロックで出来たスペースにご遺骨を納めます。

底には水を抜く小さな穴がありますが、お墓の内部を定期的に掃除している訳ではないので、詰まることで水がたまり、ご遺骨が水浸しになることもあります。

また、カロートはムカデやナメクジ、蜘蛛等の虫も住み着きやすく、カロート内に蜂の巣が出来ることもあります。

「自然に還るからいいのでは?」という方もいるかも知れませんが、火葬した遺骨の場合は、遺骨の表面がセラミック状に変化するため土に還るまで数百年かかると言われています。土に触れること無く、カロートのお骨壺の中で土に還るには途方もない年月が必要となります。

墓じまいや改葬を検討される場合、汚れてしまったご遺骨をお墓から取り出し、移動するのは手間とお金が掛かります。

自宅墓であれば野外のお墓のように汚れることもありません。

供養が自宅で出来る

生まれ育った場所から離れ、生活している方にとってお墓は「アクセスの悪い場所」にあることが殆どです。

お墓参りや法要への参加は時間と費用が生じます。ご供養したい気持ちは充分にあるけど、実際にお墓参りに行くのは年に1度という方も多いでしょう。

自宅墓の場合は手元にご遺骨があるので日常の中でご供養して頂けます。

朝起きて「おはよう」と声を掛けたり、記念日を共に過ごしたり、時間や費用、動力をかけなくてもご供養をすることが出来ます。

改葬・墓じまいの手間が無い

「子供の代まで負担を掛けたくない」「承継する人がいない」という理由で墓じまいをされる方は増えています。

その場合、既にお墓に納骨されているご遺骨を合祀墓など、新たなお墓に納骨しなくてはならず、ご遺骨を取り出した後もお墓を更地に戻したりと費用や手間がかかります。

また、ご遺骨を他のお墓に移す際「改葬許可証」を発行してもらう必要があり、改葬前と後の墓所の管理者へ書類への記載をお願いしたり、必要書類を取り寄せたりと事務手続き上の手間もかかります。

自宅墓の場合、自宅にご遺骨があるので、墓じまいや改葬にかかる手間や費用は生じません。

宗教・宗派に捕らわれない

「宗教・宗派問わず」と宣伝し販売ているお墓があります。

しかし、そのお墓がある場所がお寺の敷地内であることが多く、また、民間会社が運営する「民営墓地」であっても、実際には、お寺等の宗教法人が民間会社に墓地の経営・管理を任せており、宗教とまったく無関係とは言えません。

では、宗教と関わりがあるのに「宗教・宗派を問わず」をうたっているのはどういう意味でしょうか。

「他宗教・他宗派であってもお墓を購入し、納骨してもいいですよ」という場合が殆どで有り、「他の宗教・宗派の儀式や教義で供養や葬儀を敷地内で行っても構いません」という意味ではありません。

違う宗派の僧侶に墓前でお経を読んでもらったり、神父さんに墓石の前で祈りを捧げてもらったりすることは許されていない場合が多いです。

また、「宗教・宗派を問わず」と言いながら、葬儀や法要を墓地を所有する宗教・宗派の教義に沿って行うことを求められる場合もあります。

民営墓地の場合は他の宗教・宗派の僧侶にお経を上げてもらうことを承諾しているケースもあり、無宗教の方も利用されていますが、経営している会社が倒産してしまえば、契約内容の見直しが図られることもあります。

宗教法人と無関係な墓地は地方時自体が運営する「公営墓地」と公益法人による「公益墓地」「共同墓地」と言うことになりますが、「公益墓地」や「共同墓地」は数自体が少なく、また、「公営墓地」は人気が高いため倍率が高く、当たるまで時間が掛る場合があります。

自宅墓であれば、葬儀や法要を強要されること無く、自分の思う好きな供養方法で自由に供養が出来ます。

今は慣例とされてきた葬儀やお墓のあり方が時代錯誤とされつつあり、現代人の生活に添ったお墓や供養のあり方が葬儀や模索されています。供養方法やお墓が生み出されており「無宗教」の方の納得のいく埋葬方法も生まれるかも知れません。

時間が許すなら、納得のいくお墓や埋葬方法が見つかるまで自宅墓を選択するのも良いかも知れません。

自宅保管/ご遺骨数に制限はない。

ご遺骨を自宅保管する場合、ご遺骨の数の制限はありません。

ご遺骨を自宅にて保管する場合、許可されていない場所へ埋葬したり、捨てたりすることは出来ないため責任は伴いますが、手元で保管するご遺骨の数に制限が有るわけではありません。

実際に、祖父母と両親のご遺骨を十年以上、手元に置かれている方もいらっしゃいます。

近年、お墓のシステムも多様化しており、従来墓と違い、一人用、二人用、四人用など、納骨できるご遺骨の数が決められているものもあります。

また、従来墓でも、ご遺骨はお墓のカロートと呼ばれる納骨スペースに納めますが、ご遺骨の入るスペースにも限界は有ります。カロートが狭ければ狭いほど永遠に何体も一つのお墓に納めるのは物理的に不可能です。

家族全員が先祖から受け継がれたお墓へ入りたいと思う場合、既に空いているスペースがあまりない場合は、親族間で揉めることも有ります。

自宅用の納骨棚であれば、複数ご遺骨を保管することも出来ます。

また、粉骨することによりご遺骨の嵩が1/4程に減るため、小ぶりのお骨壺での保管が可能となり狭いマンションでも場所を取らず保管することが出来ます。

管理費が発生しない

管理費が生じないお墓といえば、永代供養墓(合祀墓)ですが、それ以外のお墓は管理費が生じます。

お墓の大きさや、場所、システムにもよりますが都心であれば約1万~2万位が平均的な金額となります。

最近のお墓は契約を交わす際、規約に「年会費を2年以上退会した場合使用の許可を取り消す」などの記載があるものもあります。

管理費が払えなくなればお墓の使用が出来なくなると言うことです。

自宅墓の場合、当たり前ですが管理費は発生しませんし、お墓が使用できなくなるこいうことは起きません。

埋葬・散骨方法を自由に選ぶことが出来る

埋葬とはご遺骨を埋める行為です。

埋葬出来るのは、墓地として都道府県知事の許可をうけた区域となり、「寺院墓地」「公営墓地」「民営墓地」「公益墓地」「共同墓地」と分かれます。大半は「寺院墓地」「公営墓地」「民営墓地」となります。

先に述べたように多くのお墓はお寺にあります。

江戸時代の禁教政策である寺請制度より、菩提寺の従来墓へ納骨することが慣例とされてきました。

今日、核家族化や仏教への信仰心の薄れによりお墓のあり方が問われていますが、お墓がお寺にある以上、お寺の考えに従う必ことを余儀なくされ、中には仏式葬儀や法要を行うことを強いられる場合もあります。

一旦、墓へ納骨してから、他の埋葬方法を選択するとなると、役所へ「改葬許可書」を発行してもらうために、納骨したお寺やこれから納骨する墓所へ書類の記載や証書発行などを依頼しなくてはならず、とても手間が掛かります。

今日、お墓の種類も増え「一般墓(代々墓:従来墓)」「納骨堂(屋内型:屋外型)」「樹木葬(期限付き個別カロート:自然埋葬)」永代供養墓(合祀墓)等があります。

散骨という選択も有り、散骨の種類としては海洋散骨、森林散骨、宇宙葬等が有ります。

自宅墓だと、一旦自宅にてご遺骨を保管することによりご遺骨をお寺のお墓から取り出すという手間も省け、どの埋葬方法を選択するか、じっくり考えることも出来ます。

寺院墓所内に納骨する場合の注意

※「寺院墓地」の場合、そのお寺の宗派の教えに則った形式で葬儀や法要が執り行われ、檀家はお寺を経済的にも支える事になります。近年は慣例としてきた仏式葬儀を望まない方が増え、葬儀も簡素なものとなってきていますが、それはお寺の経営を圧迫し、存続に影響を与えています。「仏式葬儀を行わないならお墓への納骨は認めない」と主張する僧侶もいらっしゃいますので、代々墓への納骨を選択する可能性がある場合は、仏式葬儀を行うかどうかを検討する必要があります。

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