【分骨/手元供養・自宅墓】永代供養墓・散骨の為の分骨

分骨を行うのは何故?

故人を身近に感じていたいと思う多くの方は「分骨」をし、手元にて故人を供養されています。

その中でも「永代供養墓」や「散骨」を選択される方は、ご遺骨を合祀したり散いてしまうと、手を合わせるご遺骨がないことから供養してあげたい思いだけが取り残され、寂しさを感じてしまうという理由から「分骨」をご希望されています。

何時も側にいた人がいなくなり、故人を身近に感じることが出来ないと言うことは寂しい事です。

代々墓離れが進む中、永代供養墓や散骨の需要は年々増えており、それに伴い手元供養のための分骨を望まれる方も増えていくと思われます。

永代供養墓と散骨を選択する理由

代々墓(従来墓)、都市型樹木葬、納骨堂は承継する者がいなくなり、年会費が滞る状態になると最終的には永代供養墓の様な合祀墓へ合祀されます。なので「初めから永代供養墓で良いのでは?」という考えが生れるのも永代供養墓や散骨を選択する理由一つです。

また、お墓は承継する者に経済的負担や檀家としての義務を背負わせてしまうため、現状として代々墓はなかなか売れず、「墓じまい」をする方が増えています。「墓じまい」の場合、埋葬されているご遺骨はやはり永代供養墓へ合祀されるか、散骨するかという選択になります。

廃寺という問題

2014年5月に、民間研究機関の日本創成会議(座長・増田寛也元総務相)が発表した「消滅可能性都市」896市区町村のリストは、大きな話題となりました。

それを元に國學院大学神道文化学部長の石井研士氏は「消滅可能性都市」に宗教法人がどれだけ含まれるかを試算した結果、全17万6670宗教法人(仏教)のうち約35.6%にあたる6万2971カ寺が「消滅可能性」があることが分かりました。

2040年には35.6%の寺院が消滅することになります。

このデーターは、「このまま大都市圏への人口流出が止まらず、若年女性の減少などが進めば」という都心への人口流出による試算ですが、

「寺院消滅」の著者であるジャーナリストで僧侶の鵜飼秀徳氏は寺院の経済状況について「全寺院の4割は年収300万円以下で、『坊主丸儲け』はごく一部。このままでは寺社はなくなる一方だ」とし、経済事情によっても寺院が減少していくことを示唆しています。

人口減少や寺院の経済事情の他、寺院の承継者問題、宗教離れなど、廃寺化が進む要因は他にも存在ます。

廃寺となった場合、お墓はどうなるのでしょうか?

墓地であるためには法律上、自治体で許可を得る必要があります。治自体の条例では地方公共団体もしくは公益法人、宗教法人であることが条件に明記されています。

そのため、お墓のある寺院(宗教法人)が解散し、廃寺となった場合は墓地の許可を受けた主体がなくなるので、法律上の墓地ではなくなり使用できなくなります。

廃寺の可能性が生じた場合、多くの事例によると、これ以上維持できない場合に廃寺計画を檀家が審議し、解散なのか周辺の他寺院との統廃合等を模索し、お墓自体の存続の可能性を模索します。

墓地部分だけでも他寺院が承継してくれれば、使用条件や費用負担に変更が有る可能性があっても、お墓自体の存続が可能になるからです。

それでも、廃寺となることが免れない場合は、墓地に眠っているご遺骨の行き先を考えなくてはいけなくなります。

永代供養墓や散骨はお墓の問題が生じたとき、一つの解決手段となります。

自宅墓/手元供養とは

自宅墓とは、ご遺骨を墓所などのお墓へ埋葬するのでは無く、ご自宅で保管し供養する室内のお墓を示します。自宅墓では一柱ご遺骨全てを保管することも、分骨してご遺骨の一部を自宅保管することも可能です。

手元供養とは、ご遺骨をご自宅保管し供養することを示します。今まで手元供養と言えば分骨したご遺骨の一部を手元にて供養することが一般的でしたが、昨今では粉骨加工することによりご遺骨を嵩を減らしたり、ご遺骨の生々しさも軽減出来ることから、全身のご遺骨をご自宅保管し手元で供養する方も増えています。

自宅墓、手元供養のメリットは、自分のスタイルでご供養が出来るという点です。慣習に捕らわれず、日々の生活の中でご供養が出来、故人を身近に感じることが出来ます。また、お墓参りなどで遠出の心配もありません。法要や管理費で生じる経済的負担もありません。

分骨のメリット

分骨し手元供養するメリットはご遺骨が少量の為、ミニサイズのお骨壺で保管が可能となり、リビングに置いても主張し過ぎないため、インテリアに馴染みやすくご遺骨が手元にあることへの抵抗が軽減できます。

更に粉骨すれば嵩は減り、ご遺骨の生々しさも無くなります。

また、一柱全てご遺骨を保管するとなるとリビングに置くには存在感が出てしまい、同居される方や来客にストレスを感じさせてしまうことがあります。

一柱全てのご遺骨を粉骨すればご遺骨も嵩張らず、お骨壺も小さくすることは可能となり、リビングでの違和感も軽減出来ますが、分骨し片手に乗るご遺骨と一柱全てのご遺骨では量は違ってきます。

分骨方法

分骨は手元で供養できるようご遺骨の一部を分け、小さな骨壺に入れご自宅にて保管します。

前は喉仏を分骨し手元に残される方もいらっしゃいましたが、最近は拘らない方も多く、保管しやすい形や少量を分骨しています。

粉骨ですが、どちらでも構いません。粉骨しておくと散骨も可能となり、更に真空パックなどで保存も出来るためご遺骨がカビやホコリで汚れることなく保管できる事がメリットとなります。

※散骨される場合はルールがございます。散骨業者が推奨している散骨方法などを参考にして下さい。

※ご遺骨を自宅保管する場合、粉骨し真空パック保存しない場合は高温多湿を避け、カビの栄養分となるホコリが入らない場所を選びましょう。

ー分骨での注意点ー

ご遺骨は「埋葬許可証」がなくてはお墓に埋葬することは出来ません。それは分骨したご遺骨も同様で、分骨したご遺骨を最終的にお墓へ埋葬する場合は「分骨用の埋葬許可証」が必要となります。※散骨の場合は「埋葬」では無いため必要ありません。

分骨用の埋葬許可証は「火葬場」で分骨する場合は火葬場に依頼し発行してもらいます。お寺のお墓に埋葬し分骨する際はお寺にて発行してもらいます。

ご遺骨は墓所以外の場所に「埋葬」することは禁止されており、必ず「埋葬許可証」がなくては埋葬してもらえないため、分骨する際は「分骨用の埋葬許可証」を発行してもらう事を忘れないようにしましょう。

ご遺骨の手元供養方法・自宅墓

ご遺骨を分骨し手元にて供養する際、ご遺骨を保管する入れ物が必要となります。手元供養のための骨壺はネットでも購入でき、ご自宅のリビングに置いても抵抗のないような素敵なデザインの物が多く販売されています。

ー分骨用の骨壺ー

火葬場にてご遺骨を納める際、使用されるお骨壺のサイズは関東では7寸となります。分骨用のお骨壺は分骨するご遺骨の量によってサイズも違ってきますが、手のひらに乗る程度の大きさのミニ骨壺が需要があります。

素材は陶器で出来たお骨壺以外で、ステンレス、木製、ガラス製など、素材も豊かで、卵形、正方形などデザインも様々な物が販売されています。

遺灰ジュエリーも身につける物として素材やデザインに拘った物から安価なものまでネットで簡単に購入することが出来ます。

ご遺骨の自宅保管の注意点

ご遺骨は捨てたたり墓地で無い場所に許可無く埋めることは法律上出来ません。ご遺骨をご自宅にて保管出来なくなった場合は粉骨して散骨するか、永代供養墓(合祀墓)やお墓に埋葬するしか有りません。お手元にご遺骨がある場合は、生前の内にご遺骨を最終的にどのようにするか決めておく事をお勧め致します。

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