【骨壺】骨壺を自分で選ぶ!埋葬・自宅墓・手元供養墓・・・

「お骨壺を自分で選ぶ」

お骨壺を自分で選ぶ

供養やお墓のあり方が多様化すると共に、お骨壺のデザインや大きさも変化を見せています。

一般庶民がお墓を持つようになったのは江戸時代。菩提寺に代々墓を持つようになり継承されてきましたが、慣習として行われてきた埋葬のカタチが現代人のライフスタイルに適応しづらく変化を見せ、代々墓へ埋葬する以外に、納骨堂、樹木葬、永代供養墓が消費者の支持を集めるようになり、「ご遺骨を自宅にて保管・供養する」という自宅墓・手元供養墓も受入れられるようになってきました。

お骨壺はお墓へ埋葬すると人目に触れないため、装飾やデザインはあまり重視されてはきませんでしたが、ご遺骨を一時的にも自宅にて保管する方が増えたことから、お部屋に置いても抵抗感の少ないサイズ、デザインのお骨壺が求められるようになりました。

埋葬(納骨)用お骨壺

埋葬とは死者を土に埋めることを示します。慣用的な用法としては火葬後の遺骨を墓地や納骨堂などに収納することを指します。       

《大きさ》関東地方では全てのご遺骨が入る6寸以上のお骨壺が一般的に利用されています。関西方面(一部を除く)では部分拾骨として、ご遺骨の一部を持ち帰るため、5寸以下のお骨壺が一般的に利用されています。

《素材》陶器で出来た物が殆どですが、樹木葬などは、自然に還ることを意識して土に帰りやすい素材で作られたお骨壺を使用している所もあります。

《屋内のお墓》屋内の納骨堂では、火葬のお骨上げ時で使用したお骨壺で納骨するところが殆どですが、スペースを効率的に利用するため、ステンレスや木材等で専用のお骨壺やご遺骨ケースを作り使用しているところもあります。  

《屋外のお墓》屋外にあるお墓では、ご遺骨が汚れていまう可能性が高く、一度お墓へ納骨したご遺骨はそのままお墓内に納骨したままか、最終的に合祀簿へ合祀されてしまうため、白磁の柄の無いお骨壺が多く使用されています。たまに斎場で販売されている範囲内で装飾されたお骨壺を利用される方もいますが、斎場や葬儀社が扱っているお骨壺のデザインは限られたもので、ネットなどで販売されている様に豊かではないため、柄があったとしても控えめな柄のお骨壺が殆どです。     

自宅保管用のお骨壺/自宅墓・手元供養用お骨壺

ご遺骨をご自宅にて保管・供養する場合、ご家族や来客される方などが抵抗を示す場合があります。少しでも抵抗を和らげるために、お部屋に馴染むデザインや大きさの物が好まれます。

自宅墓・手元供養用のお骨壺は、場所も取らず設置も簡単であり、デザインも豊富で安価な物から高級な物まであり、誰もが購入しやすいようになっています。

ご遺骨を何年もタンスや押し入れにしまわれている方もいらっしゃいますが、お部屋に馴染む大きさやデザインの物であれば、見えない所へしまい込む必要はありません。

また、お骨壺を仏壇や納骨棚へしまわれる方もいらつしゃいますが、仏壇や納骨棚は場所を取ってしまうため、単身用のマンションや賃貸住宅等、都心の住宅事情を考えると難しい部分があります。

自宅墓・手元供養用のお骨壺であれば移動も簡単なため、居住地を変えるからと言って、改葬や墓じまいの心配はいりませんし、お墓参りに出向かなくても手元で供養が出来るため、現代のライフスタイルには適していると言えます。

また、慣習や宗教に縛られること無く、日常の中で自分のスタイルでご供養が可能になります。

他、ご遺骨を骨袋や真空パックに入れ、お骨壺へ保管することにより、新しいお骨壺への入れ替えも楽にでき、季節に応じてお骨壺を選ぶことも可能になります。

ご自宅で使用するお骨壺・手元供養墓の大きさは8寸~2.5寸まであり、全骨を手元に置くか、一部分を手元に置くかでお骨壺の大きさは変わってきます。

葬儀で自分購入したお骨壺に収骨してもらえるの?

お骨壺持込みは斎場次第!公共斎場はOK 民間斎場は・・・

お骨壺は斎場や火葬業者が葬儀プランにセットとして組み込み販売しているため、火葬場に個人で購入して持ち込むということは殆ど行われてきませんでした。

民間の斎場の場合は、お骨壺の販売は斎場が独占するという葬儀者間とのルールがあるとされていました。

東京の7割の火葬を担う東京博善(民間斎場)は、使用する骨壺を自社で独占販売する代わりに火葬料から10%を販売手数料として葬儀社へ支払うという約束がされていました。そのため、お骨は持ち込めない状態になっていましたが、2021年に火葬炉の値上げと共に葬儀社へのマージンが5%に減額されたことにより、一部の葬儀社は骨壺の持込みを初めています。

火葬後のご遺骨をお骨壺に収めるのは葬儀会社ではなく、斎場の職員が行います。公営の斎場であれば斎場の職員がNOと言うことはありません。

公営の斎場では、依頼する葬儀社へ事前に相談すれば、自分で購入したお骨壺へ収骨してもらえます。※但し、葬儀社によってはお骨壺は葬儀プランにセットとして入っているため、お骨壺代を割り引きできないと言われる場合もあります。

民間斎場も、斎場側がお骨壺の持込みを認めていれば自分で用意したお骨壺で収骨(お骨上げ)してもらえます。

斎場がお骨壺の持込みを了承している場合で葬儀社がNOと言う場合は、葬儀社側がで取り扱っている骨壺を購入してもらいたいと考えているかもしれません。その場合は斎場にお骨壺を持ち込んでも良いか確認した上で、葬儀社へ相談することをお勧め致します。

ご遺骨を自分で新しいお骨壺へ移す

ご遺骨を自分で新しいお骨壺へ移す

葬儀で使用したお骨壺から、ご自身で購入されたお骨壺へご遺骨を移すのは難しいことではありませんが注意が必要です。

自宅にてご遺骨を新しいお骨壺へ移す際は、マスクをし、手袋をして直接ご遺骨に触れないように致します。大きめのピンセットやお箸を使用しても構いません。

焼骨には発がん性物質の六角クロムが含まれています。ご遺骨を自宅にて保管し供養するには問題はありませんが、直接触ることはあまりおすすめ致しません。六価クロムは人体に入ると鼻中壁の穿孔や鼻、肺、咽喉、皮膚、胃への腫瘍の発生の原因となり肝臓障害も起こす要因として知られています。水に溶けやすく消化器官や肺・皮膚などからたやすく吸収されるため濡れた手で触れたり、粉体の付着は避けるべきです。

ご遺骨に直接触れないよう気をつければ問題はありません。

火葬場でのお骨上げの手順

必ずしもお骨上げの手順に従いご遺骨を移す必要はありませんが、全てのご遺骨を移す場合など、気にされる方もいるかと思いますので触れさせて頂きます。

地域によって違いもありますが、火葬場にてご遺骨を拾う順番は下半身にあたる足の骨から上半身に向かって順に拾っていき、最後に喉仏(第二脛骨)を一番上に積むことがほとんどです。

先に述べたように、関西の一部では部分拾骨として全てのご遺骨を持ち帰るわけではありませんが、骨を拾う順番は同じです。

※一部地域では最初に大きな骨を入れる所など順番が違う場所もありますので、必要な場合、地元の葬儀業者か葬儀などに詳しい近親者などに確認して下さい。

お骨上げでの拾骨で順番があるのは、骨壷の中を骨が生きていたときと同じような形にするためと言われていますが、宗教的な意味や決まりがあるわけでもありません。

お骨上げの手順で新しいお骨壺へ収めたい場合

葬儀のお骨上げの手順で新しいお骨壺へ収めたい場合は、目の細かい布を敷きご遺骨を上から順に出して並べていきます。出し終えたら古いお骨壺と布に残った細かい骨から新しいお骨壺へ移し入れ、後は足の骨から順に新しいお骨壺へ収めます。

【分骨の場合】

分骨の場合は分骨用お骨壺に入る量を古いお骨壺から取り出し、直接新しいお骨壺へ移します。分骨用のお骨壺はサイズや形も様々なため、喉仏などを分骨したいと思う場合は、お骨壺を購入する際にサイズを確認し購入するようお勧め致します。

ご遺骨は火葬直後は無菌状態ですが、ホコリや汚れが付着した状態でカビの発生しやすい高温多湿の場所へ保管しておくとカビが生えてくる可能性があります。ご遺骨に汚れが付着しないよう気を付けて行うようおすすめ致します。

業者へ依頼する

自分では行いたくない場合は、粉骨業者にお願いしてみるのも良いでしょう。サービスとして行っていなくても引き受けてくれるところもあります。

粉骨業者は、お墓へ埋葬され、汚れてしまったご遺骨を洗浄・乾燥するサービスも行っており、古いご遺骨を手元供養されたいと思う場合は依頼することをお勧め致します。

まとめ

この変化の時代に、今までのお墓や供養のあり方が自分たちの生き方に当てはまるかどうか検討することは大切なことです。

2040年には1.5人が一人の高齢者を支える時代となり、5割の都市が消滅すると予測が立てられています。

今も社会問題となっている無縁仏は此からも増える傾向にあります。何処にどのようなシステムのお墓を持つかは重要となってきます。

場所が遠いと墓参りや管理が年齢と共に難しくなりますが、自分だけでは無く、お墓を継承する者がお墓のある土地に代々留まるという保証はありません。

お墓を継承する人がいない場合、墓じまいや改葬の必要の無い樹木葬や永代供養墓(合祀墓)、散骨等が適しているのかも知れません。

近親者の死に直面して慌ててお墓を購入しようとする方がいらっしゃいますが、慌てて動くのでは無く、一旦ご遺骨を手元に置き、お墓や供養のあり方をじっくり考え、正しい情報を充分得てからて、何が自分たちのライフスタイルに適しているのか結論を出す必要があります。

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