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分骨とは
分骨とは
分骨とは、故人のご遺骨の一部を取り分けることを示します。
分骨を望まれる理由は様々で「故人を身近で感じていたい」「家族で遺骨を分けてそれぞれの場所で供養したい」等、分骨した目的に応じてご自宅にて保管したり、代々墓とは別のお墓へ埋葬したりします。
近年では永代供養墓(合祀墓)や散骨の需要が高まり、「合祀や散骨をしてしまうと手を合わせる対象がなくなる」という理由から分骨をし、少量のご遺骨をご自宅にてご供養される方も増えています。
分骨すると成仏出来ない?
「分骨すると成仏出来ない」、「次に生まれてくるとき五体満足の体で生まれてくることは出来ない」「分骨すると悪いことが起こる」と言われる方がいらっしゃいます。
仏教では、お釈迦様のご遺骨が分骨され世界中の様々な寺院に保管されており、分骨が良くないことだとはされていません。
また、関西地域では葬儀後、全てのご遺骨を持ち帰りお墓へ埋葬するのではなく、一部のご遺骨だけ持ち帰る地域もあります。
分骨したご遺骨はどう処分するの??
◇◆お墓へ埋葬するか散骨することになります
◆◇
埋葬をご希望される場合
分骨したご遺骨を最終的には「お墓へ埋葬たい」と思われるのであれば、「分骨用の埋葬許可証」を発行してもらうようにしましょう。
分骨したご遺骨をお墓へ埋葬する際は、「分骨用の埋葬許可証」が必要となります。
分骨用の埋葬許可証は、火葬の際に分骨した場合は火葬場で発行してもらいます。また、ご遺骨をお墓へ埋葬する時に分骨する際は、お寺にて発行してもらいます。
散骨をご希望の場合
分骨したご遺骨を最終的に散骨されたい場合は、ご遺骨を2ミリ以下のパウダー状にし、禁止されている場所や、散骨してしまうと風評被害などで相手に損害を与えてしまうような場所を避け、散骨する必要があります。
散骨では埋葬許可証等の書類は必要ありませんが、ご遺骨だと認識できる状態で撒いたり捨てたりすると法律違反となります。
粉骨業者へ依頼する場合、7寸の場合は15,000円前後が相場とされています。3寸以下であれば10,000円以下の5,000円~7,000円程で粉骨加工をしてもらえます。
分骨したご遺骨の保管方法
ご遺骨の入れ物に決まりはありません。
生前故人が大切にしていたジュエリーケース等でもご遺骨保存に適したものであれば問題ありません。
また、ネットでもデザイン豊かなミニ骨壺が販売されていますので、ご自宅のインテリアに添った物を購入することも出来ます。
◇◆割れやすいお骨壺の対処法◆◇
お骨壺が陶器やガラスで出来ている場合、落として割れてしまうとご遺骨が散乱してしまいます。粉骨しない場合は骨袋へご遺骨を入れてからお骨壺へ収めます。
粉骨する場合は、粉骨業者へ真空パック保存してもらうとご遺骨が散乱することを防ぎ、防かび対策にもなります。
◇◆防かび対策◆◇
ご遺骨はカビに弱いわけではありませんが、時間がたつにつれホコリがたまり、湿度や気温などでカビが発生することがあります。
カビの発生する条件。
- 気温25~30度
- 湿度70%以上(60%以上から活発に活動、80%以上で一気に繁殖)
- ホコリや汚れなどの栄養分
住まいの中でも、特にカビが生えやすい場所。
- 水回り(浴室、キッチン、トイレ、洗面所、洗濯機)
- 密封空間(押入れやクローゼットなど)
- 掃除の行き届かない場所(家具の裏、窓際など)
これらの場所は風通しも悪く、湿度が高くなりやすい場所です。また、掃除が行き届きにくく、栄養源も豊富であるためカビにとって生殖しやすい場所となります。
しかし、住まいが狭く置き場所に困ってしまう方もいらっしゃるかと思います。
その場合は、カビは一つでも条件が揃わなければ繁殖を大幅に防ぐ事が出来きるので、掃除や換気など、カビの発生する条件が整うことのないよう出来ることでご遺骨を清潔に保つように致しましょう。
分骨したご遺骨を入れるケースは?
先に述べたように分骨したご遺骨を入れる容器に決まりはありません。インテリアショップで販売されている可愛らしい容器でも問題はありませんし、陶芸などで手作りしても構いません。
大切に保管し、最後まで責任を持てさえすればご遺骨を入れる容器は故人や保管する方のご希望に添った物で良いかと思います。
ご遺骨は治自体で許可が出ている場所以外に埋葬したり、粉骨もせず散骨したりすることが法律上出来ないため、分骨したご遺骨を最終的にはどのように扱うかが問題となります。そのことを注意し保管に適した物を選択することが重要となります。
そうは言っても不安を感じ「手元供養用品」として販売されている物を望まれる方もいるかと思います。どのようなタイプの物があるかご紹介致します。
ミニ骨壺
ガラス製のミニ骨壺
手元供養用のミニ骨壺の値段は1,000円~数万円のものまであり、デザインや機能性によって異なります。
また、素材も陶器やガラス以外にもステンレス製や木製なども有りデザインも豊かです。
手元供養用のミニお骨壺は掌に収まる大きさの物が多いのですが、大きさや口の広さを確認し、購入されることをお勧め致します。
分骨のメリット
故人を身近に感じることが出来る
楽しいことがあったとき、嫌なことがあったとき、朝目覚めたとき、日常生活の中で大切な故人を身近に感じることが出来ます。
お墓参りなど遠出をせずにご供養が出来る
年齢を重ね、身体に不自由を感じるようになるとお墓参りも楽ではありません。また、改葬をし、お墓をご自宅の近くへ引っ越しされる方もいらっしゃいますが、改葬には手間と費用が掛ります。
分骨すると手元にご遺骨があるので体に無理を強いることなく供養ができ、改葬の手間も省くことが出来ます。
慣習に縛られず、自分スタイルの供養が出来る。
死生観や宗教観は必ずしも親や親戚と同じと言うことはありません。慣習を堅くなに行うべきとする人もいれば、宗教に捕らわれず自分なりの形で供養をしたいと考える方もいます。親族と意見が分かれる場合、分骨をし手元にご遺骨を置くことで、自分スタイルの供養をすることが出来ます。
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